和歌山「白タク」死亡事故の衝撃!観光客狙う“違法営業”の危険な実態とは

愛国太郎の考察

2025年10月20日、和歌山県警は、いわゆる「白タク」行為中に死亡事故を起こしたとして、男を逮捕したと発表しました。この事件は、訪日観光客の増加と共に全国で問題視されている「白タク」行為の深刻な危険性を、改めて浮き彫りにするものです。なぜ、このような違法な営業が横行し、悲劇が繰り返されるのでしょうか。


悲劇を招いた無許可営業

報道によれば、事件が起きたのは9月30日。ワンボックスカーが和歌山県新宮市の国道でセンターラインを越え、大型トラックと正面衝突しました。この車は「白タク」として無許可で観光客を運んでおり、乗っていた60歳の女性が死亡、運転していた男も重傷を負いました。

警察は、退院を待って運転手の男(26)を自動車運転処罰法違反や道路運送法違反の疑いで逮捕しました。この男は中国籍で、大阪市西成区に住んでいたとのことです。

逮捕された男は「報酬をもらう予定がなかったので白タクにはならない」と容疑を一部否認していると報じられています。しかし、警察の捜査では、乗車料金が事前に決済されていたことが確認されていると報道されています。


「白タク」とは何か? なぜ厳しく禁止されるのか

そもそも「白タク」とは何でしょうか。 これは、営業許可を受けていない車を使って、お金をもらって人を運ぶ違法なタクシー営業のことです。

日本では、他人を乗せて運賃をもらう「旅客自動車運送事業」を行うには、国土交通大臣の厳しい許可が必要です。これに違反した場合、「3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金(またはその両方)」という重い罰則が科されます(道路運送法)。

なぜ、これほど厳しく禁止されているのでしょうか。それは、乗客の「安全」を確保するためです。


なぜ危険? 「白タク」が抱える3つの重大リスク

「安ければいいじゃないか」と思うかもしれませんが、白タクの利用には計り知れないリスクが伴います。

1. 運転手の技術・健康状態が「不明」

正規のタクシーやバスの運転手は、乗客を乗せるための「第二種免許」の取得が必須です。しかし、白タクの運転手はこれを持っていないケースがほとんどです。 さらに、正規の事業者は出勤時のアルコールチェックや健康管理、定期的な車両点検が法律で義務付けられています。白タクにはこうした安全管理が一切なく、整備不良の車や体調不良のドライバーが運転している危険性があります。

実際、今年6月には富士スバルライン(山梨県)で、別の男が運転する白タクが観光バスと正面衝突し、乗客のアメリカ人5人を含む多数の重傷者を出す事故も起きています。

2. 事故時の「無補償」リスク

これが最大の問題かもしれません。 万が一、白タクが事故を起こした場合、運転手が加入している自動車保険(任意保険)は「営利目的(白タク行為)」での事故を補償対象外としている可能性が極めて高いです。 つまり、乗客が死亡したり、重い障害を負ったりしても、十分な治療費や賠償金が一切支払われない「泣き寝入り」になる恐れがあるのです。

3. 地域経済への打撃と犯罪の温床

白タクが横行すれば、法律を守って許可を取り、税金を納めている地元のタクシー会社やバス事業者の経営を圧迫します。 また、今年8月に熊本で摘発された「白バス」(違法な貸切バス)の事例のように、SNSを通じて運転手と乗客が直接やり取りするケースが増えており、反社会的勢力の資金源となる可能性も指摘されています。


横行の背景と今後の課題

近年、白タクは主に訪日観光客をターゲットに、空港や観光地でSNSなどを通じて客を募集し、横行している実態があります。母国語で簡単に予約できる手軽さや、時には正規料金より安価な点が利用される理由とみられます。

しかし、今回の和歌山での死亡事故は、「安さ」や「手軽さ」の代償が「命」であることを示しています。 違法行為である白タクを利用しない・させないための多言語での啓発活動はもちろん、警察による取り締まりの強化が急務です。


出典

  1. 事件報道(TBS NEWS DIG / JNN)
    https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2239027
  2. 事件報道(ABCテレビ 関西ニュース) https://www.asahi.co.jp/webnews/pages/abc_33845.html
  3. 公的資料:近畿運輸局「白タクは違法で危険」啓発ページ(多言語リーフレット)https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/tetsuzuki/taxi/illegaltaxi.html

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